相律

phase rules

 成分の数がcの系において,圧力と温度のほかに,各相において(c-1)個の濃度変数が独立である.p種類の相が平衡する際,相平衡は各成分について,各相の化学ポテンシャルが等しいことが条件となるから,自由に変えられる変数の数,すなわち自由度fは次式で与えられる.\[f = 2 - p + c\]これを相律といい,ギブスによって導かれた.単一成分(c=1)の二相平衡(p=2)ではf=1であるから,圧力または温度のいずれかを定めれば他の状態が定まってしまう.三相平衡の三重点ではf=0であるから不変系で,温度も圧力も定まってしまう.(→自由度)