次元解析

dimensional analysis

 自然法則は本来特定の単位系に依存しないとの観点から,関連物理量で構成する無次元数(数値が単位系によって変化しないものをいう)の間の関係として物理現象を表現する解析手法を次元解析という.指数法と呼ばれる方法によれば,現象に関係している物理量をすべて列挙し,これらの物理量を適当な指数でべき乗した量の積は,独立な無次元数の積として表される.基本単位(質量[M],長さ[L],時間[t],温度[Θ]などのうち,関係するたがいに独立な単位)の数をnとすると,基本単位のべき指数がすべて0になる必要があり,物理量のべき指数の間に,基本単位の数nだけの関係式を得る.したがって関係物理量数m個に対して,独立な未定指数の数だけ,すなわち(mn)個の独立な無次元数を得る(これはπ定理と呼ばれる).この無次元数の間の関係を実験などより定めるものである.また方向性次元解析と呼ばれる方法もある.物理量の方向が明確に指定できるとき,長さの単位に[Lx], [Ly], [Lz]などのように方向を導入して無次元数の間にさらに新たな関係を得る(ただし[M/Lz]のようにペアで表れれば[Lz]は単独で独立な単位とはならない).