希薄気体熱伝達

rarefied gas heat transfer

 圧力が低くなって気体が希薄になると,分子の平均自由行程\(\bar l\)が物体寸法lに比べて無視できなくなり,その影響が現れてくる.クヌッセン数\(Kn \equiv \bar l/l\)が0.01以下であれば,気体は連続体とみなせる.Kn=0.01~0.1では,気体は近似的に連続体とみなせるものの,気体の速度分布や温度分布は壁面で不連続となり,みかけ上,壁面との間ですべりや温度の飛躍が生じる.気体が非常に希薄になってKn>10になると,分子間の衝突がまれとなり,気体分子の壁面への衝突が支配的となる.これを自由分子流と呼ぶ.以上の過程を通して,熱伝達はKnの増大とともに低下して行く.