重油,残さ油,石炭などに含まれる燃焼性硫黄が空気中の酸素と化合して生成する酸化物の総称で,大部分はSO2とSO3である.SO2は呼吸器系と目に悪影響を及ぼし,SO3は水蒸気と反応して硫酸となり,低温腐食と酸性ばいじん(アシッドスマット)の原因となる.また,窒素酸化物とともに,酸性雨の原因となる.硫黄酸化物の生成を防ぐ燃焼法というものは存在せず,硫黄分の少ない燃料を使うか,排煙脱硫によるほかはない.ただ,流動層燃焼において,流動媒体に石灰石やドロマイトを使い,層の温度を適当に保つと,炉内脱硫が実現される.