マッハ数M∞の一様流れの中に翼をおくと,翼面に沿う流れには一様流れの速度より速い部分と遅い部分が生じ,マッハ数がM∞より大きい流れの領域と小さい流れの領域が現れる.したがってM∞を徐々に大きくして1に近づけると,M∞が1に達する前に流れ場の速度が最も大きいところのマッハ数が1となる.この状態を臨界状態,このときのM∞を臨界マッハ数という.M∞が臨界マッハ数をこえると,翼表面近くの一部に超音速流れの領域と衝撃波が現れ,翼の揚力係数と抗力係数は大きく変動する.