フランシス水車

Francis turbine

 反動水車の代表機種であり,構造は反動水車のほかの機種と共通する部分が多い.水車および発電機の据付け状態により横軸形と立て軸形に大別できるが,大容量機によく用いられる立て軸機の例を図に示す.ケーシングの直前には入口弁(主弁ともいう)が設けられることが多く,止水の役目をし,運転・停止に伴い開閉される.ケーシングには渦巻ケーシング半渦巻ケーシングとがあり,ステーリングガイドベーン(案内羽根ともいう)を介して全周にわたって一様な流れをランナに与える.ガイドベーンは可動式であり,流量すなわち出力を調整する機能をもつ.ランナに流入した水はランナを回転させ,機械エネルギーとして水車軸(主軸ともいう)を介して上部の発電機に伝達し,電力に変換する.ランナ下端の吸出し管はランナ出口の速度エネルギーを回収するためのディフューザの役目をもち,出口に向かって断面積が拡大するとともに,流れを水平方向に変えて放水口に導くエルボ形吸出し管が多用されている.運転の負荷によって吸出し管内の水圧脈動が増大し,電力系統と共振して電力動揺を生じることがある.

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