混相流

multiphase flow

 気体または液体を基質とし,その中にほかの相(液相,固相のいずれであってもよい)が基質と界面で区別されて存在する媒質の流れをいう.一般に第二または第三の相は粒子の形(粒子相)をとる.二つの相からなる場合が多いので,二相流という言葉が混相流と同じ意味で用いられる.また英語表現をそのまま訳した多相流もしばしば使われる.粒子が基質内で分散浮遊する場合,そのような媒質はサスペンジョンと呼ばれることもある.混相流に対し,通常の気体または液体だけの流れは単相流と呼ばれる.混相流は,気液二相流,固液二相流,固気二相流,固気液三相流,液液二相流に分類される.連続相と粒子相の密度差や流量比によって様々な流れのパターンが観察される.混相流の実例は,自然界(霧,砂嵐,漂砂など),生体(血液など),工業関連(スラリー輸送,流動層,固体ロケット,集じん機など)など我々の身のまわりに多くある.