カルマン渦列

Ka´rman vortex street

 円柱,角柱のような柱状物体が流れに直角におかれたとき,物体からのはく離せん断層が主流と直角方向に振動し,その1周期ごとに反対符号の渦が放出されるので,物体の下流には互い違いに並んだ渦の列が形成される.これをカルマン渦列という.カルマン(1911年)が,渦の主流方向の間隔と直角方向の間隔との比が,ある特定な値を持つときに限り,この渦列が安定であることを理論的に示したので,この名がある.円柱ではレイノルズ数\(Ud/\nu \)(U:主流速度,d:円柱直径,ν:動粘度)が約50~2×105の広い範囲で現れる.物体から渦が放出される周波数\(f\)を,物体の代表長さ(円柱では直径d)および主流の速度Uで無次元化したもの\(fd/U\)は,ストローハル数と呼ばれ,レイノルズ数の関数である.円柱のストローハル数は200~2×105の広いレイノルズ数の範囲で約0.2である.

1002355_01.jpg