繊維強化セラミックス

fiber reinforced ceramics

 カーボン繊維,SiC繊維,SiCウィスカー,アルミナ繊維などの耐熱性を持つ繊維を強化材とし,窒化けい素,炭化けい素,アルミナなどのセラミックスをマトリックスとした複合材料.ボロシリケートガラスなどの耐熱ガラスやリチウムアルミノシリケートガラスなどのガラスセラミックスなどをマトリックスとする複合材料も同系統の耐熱複合材料である.繊維,マトリックスともに炭素Cを用いるC/C複合材料も含まれる.セラミックス単体に比べて高靭性化が最も期待されるが,き裂の湾曲,偏向,マトリックスの相変態,繊維のディボンディング,ブリッジング,プルアウト,などの破壊プロセスを有効に組合せて高靭性化が図られている.高温成形時の繊維/マトリックス界面反応の制御による界面特性の最適設計が大きな課題として残されている.すなわち,界面強度が強すぎるとマトリックス中に発生したき裂は方向を変えずに容易に繊維を破断してしまう.一方,適度な結合にすると繊維界面ではく離を誘発し,応力集中を緩和することにより高靭性化が期待される.逆に界面強度が低すぎるとはく離が生じすぎて,繊維に力を伝達することができなくなり,高強度化は望めない.