鋼材などを熱処理すると表層と内部で熱処理挙動が異なり,処理効果に差が出る.この現象は熱処理する材料の大きさによって違うため質量効果という.例えば小さな鋼片を焼入れすると中心部まで硬化できるが,鋼片が大きくなると中心部は焼が入らないことがある.未硬化範囲は鋼片が大きくなるほど広がる.これは内部の温度は表面部分に比べ急変しにくいため焼入れ過程で高温の結晶組織が維持できないためと解されている.