合金

alloy

 2種類以上の元素からなる金属的な性質を示す物質.一般に金属元素をマトリックスとして,ほかの金属元素,または非金属元素を混合して融解することにより得られる.1種類の金属元素からなる純金属は,通常柔らかく,延性が高くて,はくなどに加工されて用いられる.純金属のこの特性は,構造材料などには不向きであり,これを改善するために合金にして用いられる.機械的諸性質,耐食性,耐熱性,耐摩耗性などのさまざまな性質を向上させる目的で,ほかの元素を添加する.金属組織学的には,成分元素が均一に混合して一相となる固溶体合金,二相が規則性を有して配列する共晶合金,形成された金属間化合物が析出する析出型合金などに分類できる.一つの合金元素を添加することにより,一つの特性,例えば,機械的性質を向上することができても,ほかの特性,例えば,耐食性が劣化することなどを防止するため,第三元素,第四元素を添加する.鋳造・凝固,塑性加工,熱処理により,構成する相の量および形態を制御して,望みの諸性質を有する材料を製造することができる.