鉄鋼材料，アルミニウムおよびアルミニウム合金，銅および銅合金，マグネシウムおよびマグネシウム合金，チタンおよびチタン合金，タングステン，ジルコニウムとジルコニウム合金など，金属を主成分とする材料．そうした金属材料を単独に使用する場合と，複合材料のように異種の金属材料や非金属材料を張合せるなどして使用する場合とがある．金属材料は無機材料や有機高分子材料などのいわゆる非金属材料に比べて，一般に，製造，加工が容易で弾性係数，強度が大きく，延性，靭（ねば）さ，すなわち靭性に優れ信頼度が高い．また，熱伝導度，電気伝導が大きく金属光沢を有する．無機材料に比べれば，融点は一般に低く，耐熱性，耐食性に劣るが，合金元素の添加，熱処理などによってかなりの耐熱性，耐食性を付与することができるので，土木，建築，機械，化学，運輸・交通，発電など多分野で高温から低温にいたる広い温度領域において多く使用されている．異種の金属材料を複合して使用する例に，炭素鋼や合金鋼にステンレス鋼，超合金，チタン，銅を張合せたクラッド鋼（クラッド板）がある．非金属材料と複合して使用する例に，金属材料の表面にセラミックスを被覆した高耐食性材料や，金属材料の板と高分子材料の板を張合せた制振材料などがある．