一般に鋳造品は,その凝固・冷却の過程で温度変化が均一にならないために鋳造応力を生じ,鋳放しのままで使用すると,長い間にその応力のために変形を起こす恐れがある.それを防ぐため,あらかじめその応力を除去する処置がとられる.これが,枯らしである.かつては,長期間大気中に放置しておくことにより自然に応力が消滅するのを待つ方法がとられていたが,現在では,焼なましの熱処理により急速に応力を除去する方法がとられている.ねずみ鋳鉄の場合,530℃くらいで3~6h保持後炉冷する,応力除去焼なましが行われている.