金型を掘り込んだり細かい模様を彫刻したりする金型の製作工程.おもに機械加工が行われ,フライス作業,穴あけ作業や中ぐり作業,研削,やすり盤作業,研磨,彫刻などが含まれる.金型形状加工機は型彫り盤といわれる.手動または自動で型板または模型にならって丸物を移動して工作する倣(なら)い削りを行う方式のほか,形状を数値表現した情報を指令テープに盛り込んで工作機械を動作する数値制御方式(NC, numerical control)もある.型彫り工具には彫刻用カッタ,エンドミルなど各種のものがある.特殊な型彫り法として,硬質の成形用型(マスタ)を軟質延性材にプレスで押込んで型どりをするホビング法,超音波振動を利用して穴あけや仕上げなどする超音波加工,液中で電極を近づけた局部を放電現象により消耗させる型彫り放電加工機を用いる放電加工法(EDM, electrical dischange machining),電解液中に電極と金型を入れて通電して電気化学的に溶解する電解加工(電鋳)や所望の形状の電極と金型材の間に電解液を供給しながら通電溶解する電解法,腐食現象を用いるエッチング法,局部超高温発生による溶融蒸発現象を用いる電子ビーム加工(EBM, electron-beam machining)やレーザ加工,などがある.