アルミニウム合金

aluminium alloy

 アルミニウムに合金元素を添加することによりアルミニウムの優れた特性が生かされるとともに,諸性質の改善ができる.そこで航空機,自動車,建築などに幅広く利用されている.アルミニウム合金は鋳造材と展伸材に大別される.鋳造材はおもに共晶型合金であり,砂型,金型,ダイカスト用合金がある.JISではAl合金鋳物を1種から9種までに分類している.Al-Cu系は時効性合金である.ラウタルはAl-Cu-Si系の合金で時効性合金の鋳造性を改良したものである.シルミンまたはアルパックスはAl-Si系で鋳造性に優れている.それにMgを加えたシルミンγおよびCuを加えた含銅シルミンは時効性がある.さらにNiを加えたローエックスは熱膨張率が小さく内燃機関のピストン材に適している.またAl-Cu-Mg-Ni系を代表とするY合金は耐熱性合金である.耐食合金であるヒドロナリウムはAl-Mg系を代表する.展伸材はJISにおいて英文字Aおよび4けたの数字をもって分類されている.特性に応じて,耐食(1000,3000,5000,6000各系),耐熱(2000系,4000系),高力(2000系,7000系)合金に分けられる.また時効熱処理の可能性により熱処理型合金(2000,4000,6000,7000各系)および非熱処理型合金(1000,3000,5000各系)があり,熱処理材は識別記号「T」および数字により示される.なお,最近開発されている合金のうち,Al-Li合金は著しい軽量効果を示し注目されている.