温度場とひずみ場の相互作用を考慮した熱弾性理論を連成熱弾性理論という.熱が物体に作用した場合,通常の熱伝導方程式では,熱は温度変化だけに費やされるとして処理されるが,熱は温度変化のみならず変形に関わる仕事にも費やされる.この変形に関わる仕事を考慮した熱伝導方程式を連成熱伝導方程式といい,連成熱伝導方程式を用いた熱弾性理論を連成熱弾性理論という.熱伝導方程式と熱弾性方程式のいずれもが温度とひずみで表されるため,連成熱弾性理論では温度場とひずみ場を独立に求めることはできない.