粒界腐食

intergranular corrosion

 腐食性環境で金属の結晶粒界が選択的に腐食されることを粒界腐食といい,この部分が割れ発生の起点となりやすい.結晶粒界には不純物や合金元素の偏析が生じやすく腐食上活性的な場所であるため,粒界は優先的に腐食を生じやすい.典型的な例としては,オーステナイトステンレス鋼が鋭敏化温度(550~800℃)に加熱されて粒界にM23C6(おもにCr炭化物)を析出しCr欠乏層が生成することにより耐食性が損なわれ,粒界が優先的に腐食する場合が挙げられる.また,この状態で湿性環境にさらされると粒界割れを生じる場合が多い.