繊維強化複合材料において,マトリックスに1本の不連続繊維が埋められている状態で,繊維の長手方向に引張荷重がかかるとき,繊維自身に生じる引張応力の最大値は,繊維が長くなると繊維の引張強度に等しくなってそれ以上にはならない.この上界に達するときの繊維の長さを有効長さと呼び,これは最弱リンクモデルなどで強度を説明するときの分割される要素数を決めるのに用いられる.また,この長さは繊維の直径にも依存するので,この長さと直径との比を臨界細長比と呼ぶ.