膜理論

membrane theory

 薄肉厚の殻構造体に対して,曲げモーメントと横せん断力を無視して釣合い方程式を求める近似理論を膜理論と呼ぶ.曲面の主曲率半径\(\left( {{\rho _1},{\rho _2}} \right)\)に比べて肉厚(h)は十分小さく,肉厚方向には変化しない膜応力(主値σ1, σ2)が働くとする.膜力は膜応力に肉厚を乗じて求められる.膜理論では,内圧pが加わる場合の釣合い方程式は次のようになる.\[\frac{{{\sigma _1}}}{{{\rho _1}}} + \frac{{{\sigma _2}}}{{{\rho _2}}} = \frac{p}{h}\]軸対称薄肉殻体の膜応力は釣合い方程式のみから決定される.すなわち静定問題となる.膜理論が適用される殻構造体を膜構造体(膜体)と呼ぶ.