放射線透過試験

radiographic testing, radiography

 放射線を試験体に照射し,内部を透過してきた放射線の強弱変化から透視画像を映し出し,物体内部のきず,不純物の有無,製品の良否などを調べる試験をいう.非破壊検査法の一つで,RTと略記される.放射線源としては,一般に使用目的に応じてX線とγ線が使い分けられ,特殊用途には中性子線が用いられる.X線を用いる試験はX線透過試験とも呼ばれる.透視画像はX線フィルム,X線イメージインテンシファイヤ,蛍光板などに記録される.透視画像をTV上に映し出し,画像処理を施すことによる高速のオンライン試験も可能である.透視画像の像質を定量的に評価するために,直径の異なる数本の針金を並列に配置するか,あるいは孔径が異なる数個の孔を配した構造の透過度計か,長方形板で厚さが階段状に一段あるいは数段に変化した階調計などを用いる.これらは試験体と同材質の材料で作製するのが原則で,いずれも撮影の際に試験体の表面に取付けて同時に画像に取込み,最小きずの識別度やコントラストの識別度の較正に供される.