相反定理

reciprocal theorem

 弾性体の任意の点1,2,…,nに外力W1,W2,…,Wn,が作用して釣合い状態にあるものとする.外力の作用点における,力の方向の変位(対応する変位)はつぎのように表される.\[{u_i} = \sum {{c_{ij}}{W_j}\;\left( {i,j = 1,2, \cdots ,n} \right)} \]ここで,cijは影響係数と呼ばれる.外力が対応する変位に対してなす仕事の全体は,外力が加えられる順序に無関係であることから,影響係数は対称,すなわち\[{c_{ij}} = {c_{ji}}\]となる.これをマックスウェルの相反定理という.いい換えれば,点jに作用する単位外力Wj=1によって点iに生じるWi方向の変位は,点iに作用する単位外力Wi=1によって点jに生じるWj方向の変位に等しいことを示す.上記の外力を二つのグループに分けたとき,つぎのような関係が成り立つ.グループ1の外力が作用することにより,グループ2の外力の作用点に生じる外力の作用方向の変位に,グループ2の外力がなす仕事は,グループ2の外力が作用することにより,グループ1の外力の作用点に生じる対応する変位に,グループ1の外力がなす仕事に等しい.この関係を,ベッチ(あるいはベッチ・レイリー)の相反定理という.