静水圧(力)

hydrostatic pressure

流体中の物体に加わる圧力のように,表面に垂直に作用する圧縮の応力のことをいう.一般的には,三つの垂直応力の平均で定義される平均応力のうち,その大きさが負の値となるものを,とくに静水応力あるいは静水圧ということもある.金属の塑性変形では,静水圧が塑性変形に関与しないことから,応力成分から静水圧成分を除いた偏差応力成分を用いて降伏現象が議論される.

静止流体中に重力によって発生する圧力をいう.静水圧力は重力方向に垂直な平面内で一定で,その大きさは密度と高さの関数関係によって決まる.高さ方向の座標をz,重力加速度をgとすれば,静水圧力pdp/dz=-ρ0から求められる.液体では密度ρが一定とみなせるので,液面に作用する圧力をp0,液面からの深さをhとすれば,静水圧ppp0ρghである.この関係は液柱計による圧力測定に使われる.