実験力学

experimental mechanics

 広義の実験力学は,あらゆる力学分野における実験的事実に立脚することを必須とし,現象,材料,手法のすべてにかかわる新しい知見を求め,工学・工業の発展に役立てようとする,きわめて広範な学問領域と位置づけられる.対象領域が広いことから,一般に実験固体力学,実験流体力学および実験熱力学などに大別されることもある.例えば,実験固体力学分野では,材料力学や機械力学分野にかかわるあらゆる材料,構造物およびシステムの,応力・変位問題,破壊問題,衝撃・振動問題などを対象とし,非破壊的から破壊的,また解析手段から実用手段にいたる信頼性の高い,効率的な手法の開発・改善を意図している.代表的な実験応力解析手法,すなわち,ひずみゲージ法,X線法,光弾性法,格子法,モアレ干渉法,ホログラフィ法,スペックル法,コースティック法,AE法,超音波法,磁気利用法などの改善・改良はいうに及ばず,理論解析・数値解析・実験解析の有機的結合を図りつつ,自己完結的に誤差評価可能な新しいハイブリッド解析法が開発されている.