コンプライアンス

compliance

 支持反力が仕事をしないように支持された線形弾性体に荷重Pが加えられ,荷重点で荷重方向変位成分uが生じるとき,\(\lambda ( \equiv u/P)\)をコンプライアンスという.これはばね定数の逆数であり,荷重の大きさにはよらず,材料,物体の形状,荷重の作用位置とその方向,支持方法によって定まり,コンプライアンス定数とも呼ばれる.n個の荷重が作用する場合には荷重\({P_\alpha}(\alpha = 1,2, \cdots ,n)\)の作用点のPα方向変位成分uαは\({u_\alpha } = \sum\limits_{\beta = 1}^n {{\lambda _{\alpha \beta }}{P_\beta }} \)と表すことができ,\({{\lambda _{\alpha \beta }}}\)を一般化されたコンプライアンスと呼ぶこともある.固体力学では,一般に,剛性テンソルの逆変換に対応するテンソルをコンプライアンス・テンソルという.