破壊力学の分野では,積分経路に依存しない線積分(これを経路独立積分という)がしばしば用いられる.経路独立積分を用いれば,き裂先端近傍における,一般には評価が難しい,応力やひずみなどに関する情報をき裂先端から遠く離れた経路に沿う積分によって評価できるからである.二次元線形または非線形静的問題では,J, LおよびM積分が有名である(J積分の具体的な積分形は「J積分」の項を参照).これらの積分は適用範囲が限られている.異なった適用範囲に対応するために,種々の経路独立積分が提案されている.【J積分】