殻理論

theory of shells

 殻に三次元理論を適用すると,解析が著しく困難になるので,中央面の変位や断面の合応力,合モーメントを変数とする二次元理論(殻理論)が近似的に用いられる.この近似の程度によって,殻の一次近似理論殻の二次近似理論とがある.キルヒホッフの仮定によれば,①変形前の中央面に垂直な線要素は変形後も中央面に垂直で長さが不変(殻厚不変)とし,②殻厚方向の垂直応力を無視する.ラブの一次近似理論は,キルヒホッフの仮定から,三次元理論の近似理論として合理的に導くことができる.二次近似理論は,キルヒホッフの仮定の一部を緩やかにしたものである.また殻理論は,中央面のたわみの大,小(殻厚に比べて)によって,変位-ひずみ式で二次の項まで考慮した非線形理論と線形項のみを考慮した線形理論とに分けられる.