唯一性定理ともいう.微小変形の線形弾性理論において,フックの法則,応力の釣合い式ならびに適
合条件式(あるいはひずみ-変位関係式)を満足する解を弾性問題の厳密解という.このような解は,与えられた境界条件に対して存在し(存在定理),唯一しか存在しない.これを一意性の定理という.この証明は与えられた境界条件に対し,二つの応力状態\(\left( {{{\sigma '}_x},{{\sigma '}_y} \cdots ,{{\tau '}_{zx}}} \right),\left( {{{\sigma ''}_x},{{\sigma ''}_y} \cdots ,{{\tau ''}_{zx}}} \right)\)が存在したとしてそれが一致するという方法でKirchhoffによってなされた.これはキルヒホッフの唯一性の定理ともいう.この定理は座屈等の大変形問題や応力-ひずみ関係が非線形の材料には成立しない.