高真空下において,液相から蒸発する速度は蒸発成分の蒸気圧に比例し,かつ分子量の平方根に比例する.したがって,成分間の分子量の相違にもとづいて蒸留分離をおこなうことができる.これを分子蒸留という.蒸発した蒸気は近接した(分子の平均自由行程以下)冷却面において直ちに凝縮させる.加熱により分解または重合する物質,同位体のように蒸気圧が極めて近接している物質の分離に用いられる.