ブルドーザ

bulldozer

 ディーゼルエンジンを搭載した履帯式トラクタの前方に土工板を取付けて,おもに土砂,岩石などの掘削,押土,敷きならし作業に使用されている.また,スクレーパなどのけん引作業にも使用される.建設機械としてのはん用性,生産高は高く,その種類は多く,広範囲に使用されている.我が国では,20kN級の小型のものから1300kN級の超大型のものまで製作されている.土工板の取付け方は,車体の進行方向に直角にとりつけたもの(ストレートドーザ),斜め方向に取付けたもの(アングルドーザ)および溝掘りなどに使用するため片側をあげ他方を下げるもの(チルトドーザ)などの種類がある.押土作業による土砂運搬能力は運搬距離とともに減少するので長距離運搬には適さない.ブルドーザの最も経済的な運搬距離は60m以下である.ブルドーザは,土工板の代りにいろいろな付属装置を取付けて,伐開,除根,除雪および土砂の積込みなどの各種の作業に使用される.普通のブルドーザの平均接地圧は30~120kPaであり,軟弱地盤での走行は不可能である.そのため,特殊なブルドーザとして,履帯の幅を広くして接地面積を大きくし,接地圧を下げ軟弱地盤での走行性能を向上させた湿地ブルドーザが開発されている.また,ブルドーザの後方にリッパチップを装着し,強大なけん引力によって岩盤を掘削することのできるリッパ付きブルドーザが使用されている.