形鋼圧延設備は大別して,圧延機設備と,圧延後の製品を冷却,矯正,切断,段積,結束など出荷するための精整設備に分けられる.形鋼製品は,種類(形状)・寸法が多岐にわたりかつ形状が複雑であることから,ほかの圧延と比較してロールを交換する頻度が高く,また精整設備においては多種の形状製品に対応し効率良く処理しなければならないという特徴を有する.圧延機の配列は主として生産規模により決められ,①可逆圧延を基本とした配列,②タンデム圧延を取入れた半連続圧延配列,③全連続圧延配列に大別される.圧延機本体は,ブレイクダウン圧延機,エッジング圧延機等に用いられる二重式圧延機と,H形鋼を圧延するユニバーサル圧延機を基本とし,山形鋼,溝形鋼の製造を可能とするために二重式-ユニバーサル式兼用圧延機などが設置される場合もある.圧延を終了した製品は,①長尺製品の状態で冷却・矯正された後冷間鋸(きょ)断機にて切断され,あるいは,②熱間鋸断機にて切断された後冷却・矯正され,出荷される荷姿に段積,結束された後出荷される.他種の圧延設備と同様,近年各装置,設備とも自動化が進められ,設備の近代化が図られている.