上水処理

purification treatment

 河川水,地下水,湖沼水などを原水として,水質基準に適合した水道水を作るための処理.浄水方法には,消毒のみ,緩速ろ過+消毒,急速ろ過+沈殿+消毒ならびにこれに高度処理,そのほかの処理を付加したものがある.これら処理施設を有するところを浄水場という.①消毒のみの方式:原水水質が良好で水質基準を常に適合する場合に適用される最も単純な処理法で,着水井,消毒設備,浄水池からなる.②緩速ろ過方式:原水水質が比較的良好で最高濁度が10°以下の場合に適用され,着水井,沈殿池,緩速ろ過池,浄水池,消毒設備からなる.維持管理が簡単で,安定した良質の処理水が得られるが,ろ過速度が遅いため広い面積を必要とするので現在ではほとんど建設されない.③急速ろ過方式:原水水質が①および②以外の場合に適用される.一般的に着水井,凝集用薬品注入設備,凝集池,薬品沈殿池,急速ろ過池,浄水池,消毒設備,排水処理施設からなり,現在広く用いられている方式である.通常の浄水処理方法では,臭気,色度,微量有機物,トリハロメタン前駆物質およびアンモニア性窒素などの除去には限界が有るため,除去すべき対象物質に応じて,活性炭処理,オゾン処理,生物処理および揮散処理を単独または組合せて使用し,上記物質を処理している.