人の骨格において既存の骨が吸収され,その部位に新しい骨が形成されることをリモデリングという.骨の吸収には破骨細胞が関与しそれにつづく骨形成には骨芽細胞が関与している.リモデリングは緻密骨,海綿骨のいずれでも起こるが,同じように機能する破骨細胞群とそれにひきつづいて作用する骨芽細胞群,それに新生した骨を含めたものを骨単位といい,これが骨の再構築機構の最小単位となる.リモデリングはまず活性化ついで骨吸収,骨形成という順に起こる.活性化が始まるのは骨内膜休止面であり,ここでの細胞表面の局所の環境の変化が活性化開始に関係する.活性化にひきつづき骨吸収,骨形成が起こるが,類骨の石灰化が終了すると骨表面がへん平な表面細胞で覆われリモデリングも終了し休止期にはいる.正常な人体においては体の各部位でつねにこのリモデリングが行われているが,骨折治癒過程においてもその最終段階にリモデリングが行われる.すなわち,骨折部に形成された仮骨が吸収され,層板骨が新たに形成されこれが本来の皮質骨,海綿骨の構造へ変わっていくのである.骨折による変形は,この時点で矯正されていくが力学的環境に合目的に応じた矯正が起こり特に小児では,もとの形状にもどる矯正力はおう盛である.