傷害により失われた身体機能を代替するための機器,日常生活における介助者の介助労力を軽減化するための機器,娯楽・リクリエーション機器,就労や社会参加のために使用する機器,身体機能の訓練・評価のために使用する機器などを総称する.障害としては,肢体不自由,視覚障害,聴覚障害,発達遅滞,内部障害などが対象となる.身体機能を代替する機器は,直接的に使用者の身体に接続し,残存する機能によって駆動・制御し,動作の自立を目的とする.したがって,人とのインタフェース,外観,大きさ・重量などが重要な要因となる.代表的な機器としては,四肢切断者が使用する義肢(義手・義足),四肢麻ひ者が外骨格的支持装置として使用する装具,下肢障害者が使用する車いす・電動車いす,視覚障害者が使用する誘導装置類,聴覚障害者が使用する補聴器などがある.高齢者の自立を助ける機器類として,歩行器・つえ,電動ベッド,ポータブルトイレ,各種手すりなども含まれる.介助労力を軽減する機器は自立支援が充足しない場合に使用され,家族も含めた生活の質を高めることが目的となる.移動・移乗,排せつ,入浴に使用される機器が中心となる.身体機能の評価・訓練装置として,運動機能を定量的に把握するための位置計測・力計測装置類があり,訓練装置としては定トルク負荷装置などがある.