生物あるいは生命現象と関連した摩擦・摩耗・潤滑の問題を扱う学術分野.関節,腱(けん),靭帯,歯,およびその置換材料と,人工の心臓弁,避妊具などが対象となる.今世紀初頭の生体関節の潤滑機構についての研究がその端緒となり,1960年代に人工関節の耐摩耗性の問題がそ上にのって,盛んになった.生体組織の潤滑メカニズムの解明といった理学的な問題,および,患者の体内で生じる摩耗粉の毒性(摩耗毒性)といった工学的あるいは医学的な問題の両者を包含する.