生分解性材料

biodegradable material

 自然環境下で生体内の酵素の作用または土壌や水中の微生物により分解される材料.通常用いられる高分子材料は自然環境下で分解することがないために,その廃棄時の環境汚染が問題となっており,自然な環境の下で分解するような材料の開発が必要となっている.またより積極的な利用方法としては,例えば手術で用いる縫合糸は特別な場合を除いて組織中で分解・吸収されることが望ましく,また分解産物が生体にとって有害でない必要がある.このような材料としては通常生体内で加水分解されることにより消失する高分子材料が用いられ,コラーゲン,ゼラチンのようなタンパク質,オキシセルロース,ヒアルロン酸(ムコ多糖の一種),でん粉,キチンなどの多糖類などが知られている.最近では脂肪族ポリエステルがリパーゼにより分解されることに着目して合成高分子または微生物発酵で作られるバイオプラスチックが注目されてきている.