人工関節

joint prosthesis

 体内に封埋される人工器官の一種で,疾患や外傷に冒された関節部分の骨と軟骨を置換えるために用いられる人工の関節.置換える部位によって人工股(こ)関節,人工膝(ひざ)関節などに分類される(図).材質として,ステンレス鋼,コバルトクロム合金といった金属材料,高密度ポリエチレン,超高分子量ポリエチレンといった高分子材料,アルミナ,ジルコニアといったセラミック材料が用いられる.1950年代にイギリスで本格的な臨床応用が開始され,1994年の我が国の出荷個数は,10万関節を超えている.しかし,人間の体の中という特殊な環境の中で稼働するため,一般の機械と異なる問題を抱えている.中でも,機械の生体への固定部分の緩みによる機能破壊や摩耗粉の有害反応の問題が完全には解決されていない.

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