自己組織は発展していく非平衡系で起きる現象で,系が時空間的な秩序を自ら作ることをさす.そのためには系に物質やエネルギーが絶えず流入あるいは流出していることが必要である.ベルーソフ・ジャボチンスキー反応,レーザ発振など非生物的な熱力学系では熱揺らぎという偶然が秩序の形成を決定する.これに対し生物のような複雑な系では多種多様な秩序が可能で,どの秩序を出現させるかは生物自身が制御できる.生物は形態を自己組織するとともに自己を制御する情報を自ら作り出す情報の自己組織系でもある.