肺胞壁を構成する毛細血管網の巨視的な血液流れと,その血圧分布に依存した肺胞壁の変形を表す理論.肺胞壁を平行な2枚の薄い膜が,規則的に並んだ円柱状の結合組織により支えられた1枚のシートと見なし,その間を血液が流れるモデルが提案されている(Fung).肺胞壁の厚さhが,壁に作用する血圧と肺胞気圧の内外圧力差に比例して変化することを用いると,ラプラス方程式\({\nabla ^2}{h^4} = 0\)が導かれ,毛細血管の出口付近で肺胞壁の厚さと血圧が急激に減少することが示される.