相対する骨間を連結する継手に相当し,両骨が可動的に結合された可動関節と,ほとんど動きのない不動関節に大別される.前者が狭義の関節であり,滑膜関節ともいわれる.骨端部表面は高含水・多孔質・軟質の関節軟骨で被覆されており,関節包に取囲まれた関節腔(くう)は,滑膜から分泌される関節液で満たされている.関節面の形状により,球関節,うす状関節,だ円関節,蝶番(ちょうつがい)関節,鞍(くら)関節などに分類される.これらの構造・組成に基づく巧みな潤滑・応力分散機構が,摩擦係数0.005程度の低摩擦性や,長期耐久性を実現させている.