重症呼吸不全症例に対し,肺のガス交換機能を,膜型人工肺を用いた人工心肺装置により補助する治療手段.送脱血は頚部(けいぶ),大たい部などで行われ,実施期間は数日から,まれには数十日に及ぶ.人工肺には耐久性が要求されるため,血しょう漏出と血栓形成を防止するための工夫が必要となる.血しょう漏出に対してはシリコーンのち密膜,低空孔率多孔質膜,もしくは表面に薄いち密層を有する多孔質膜を用いた人工肺の使用,血栓形成に対してはヘパリンなどの抗血栓性物質の血液接触面への固定が有効である.