固体力学を支配する普遍的な根本原理で,構造物の力や変位を導くための諸原理(仮想仕事の原理,最小ポテンシャルエネルギーの原理,補仮想仕事の原理,最小コンプリメンタリエネルギーの原理,など)の総称.変位を未知量とする仮想仕事の原理は,Lagrangeの未定乗数法を用いて変形してゆくことにより,Hu-Washizuの原理,Hellinger-Reissnerの原理を経て,補仮想仕事の原理を到達する.このように,エネルギー原理は統一的に説明することができる.一般に弾性体の変位や応力は,①釣合い方程式,②ひずみ-変位関係式,③応力-ひずみ関係式,からなる遍微分方程式の境界値問題によって記述されるが,これらの解を解析的に求めることは非常に困難である場合が多く,したがって,エネルギー原理から直接に変位や応力を近似的に求めることがよく行われる.