多数の分子からなる一つの力学系について,q1, q2, …(まとめてqと書く)を分子の座標,p1, p2, …(まとめてpと書く)を対応する運動量とする.この系の状態は位相空間の一点(p, q)で表される.この力学系と同じ構造を持つ多数の独立な力学系の集団を考え,位相空間における点の密度をρ(p, q, t)とする.tは時間.ただしρの位相空間全体にわたる積分を1とする.力学量A(p, q)について,A(p, q)ρ(p, q, t)を位相空間全体で積分したものをAの位相平均という.ρはリゥビル方程式に支配される.