ヴィルミエ機関は,1918年にRudolph Vuilleumier によって発明された密閉式の外燃機関であり,高温,中温および低温の熱源間で作動する.すなわち,高温熱源からの熱入力によって,低温熱源から熱を汲み上げ,中温熱源に熱を放出する機関である.本機関の基本的な構造は,それぞれ2組のシリンダとピストン,ヒータ,再生器,クーラ,駆動機構から構成され,2つのピストンは各シリンダ内では作動ガスを移動させるためのディスプレーサとして動作し,機関全体では作動空間の容積変化はない.作動ガスにはヘリウムガス等が用いられる.再生サイクルであることから,理論熱効率はカルノーサイクルと同等である.また,本機関はスターリング機関の応用サイクル機関であり,内部的にはスターリングエンジンとスターリング冷凍機に分離できることが証明されている.
本機関は,当初,図に示すような熱駆動型の冷凍機としての開発が主であったが,その後,国内外で空調機(ヒートポンプ)への応用開発も行われた.