フルイダイン

fluidyne

 英Harwell研究所に在籍していたC. Westが開発した熱機関であり,Fluidyneのほかにもliquid piston Stirling engineと呼ばれることがある.国内では水スターリングエンジンと呼ばれることが多い.通常のスターリングエンジンの固体ピストンやディスプレーサーを液柱で置き換えた構造を持つ.典型的には,液体(水)が入ったU字管と調整管と呼ばれる比較的長い管を接続した形状をしており,U字管上部の空間は気体(空気)が充填される.気体部分には両端に高温と低温の熱交換器を備えた再生器が挿入されている.再生器両端の温度差を増加すると,装置のサイズにも依存するが,0.5 Hzから1 Hz程度のゆっくりとした周波数で自励振動を開始する.水と空気を作動流体とする簡単構造のエンジンであることから,灌漑用のポンプとして応用展開が期待されるほか,教材用のエンジンとしても利用される.