====== 摩擦 ====== ==== friction ==== {{tag>..c08 ..c16}}  接触する二物体が相対運動しようとするとき,あるいは運動しているときの抵抗.前者は静摩擦,後者は動摩擦と呼ばれる.また摩擦は,運動形態から滑り摩擦と転がり摩擦,潤滑剤の有無で潤滑摩擦と乾燥摩擦に区別される.さらに潤滑摩擦は油膜の厚さと表面粗さに依存して流体潤滑,弾性流体潤滑またはEHL,混合潤滑,境界潤滑に分類される.潤滑剤の粘性や粘弾性に起因する摩擦を[[13:1009781|粘性摩擦]]と呼ぶことがある.乾燥滑り摩擦の機構としては①真実接触面の凝着部をせん断するせん断成分,②硬い突起が軟らかい面に溝を形成する掘起こし成分,③エラストマなどに顕著な弾性ヒステリシス損失成分がある.せん断成分の摩擦力//F//は//F//=//A////τ//で与えられる.ここで//A//はせん断を受ける真実接触面積,//τ//は接触面でのせん断抵抗である.接触する高い突起が塑性接触するとき真実接触面積は垂直荷重を//P//,一対の物体のうち軟らかい材料の硬さを//H//とすると,//A//=//P/////H//で与えられる.したがって摩擦係数//μ//は//μ//=//τ/////H//となる.また真空中での高い摩擦係数は,ジャンクショングロースと呼ばれる接触点での大きな塑性変形により,摩擦せん断面積が大きくなることに起因する.掘起こし成分は硬い突起の幾何学的形状で決まる.金属材料では①項と②項が支配的である.乾燥摩擦ではクーロンの摩擦法則がなり立つ. ~~NOCACHE~~