====== 磁気ディスク装置 ====== ==== magnetic disk unit ==== {{tag>..c15}}  記録媒体として[[15:1005034|磁気ディスク]]を用いてディジタル情報を記録・再生する磁気記憶装置.磁気ディスク装置は情報を記録・再生する[[15:1005047|磁気ヘッド]],情報が記録される[[15:1005034|磁気ディスク]],同一回転軸上に積層された複数枚の[[15:1005034|磁気ディスク]]を回転させる磁気ディスクスピンドル機構,[[15:1005047|磁気ヘッド]]を微少なすきまを保ってディスク上に保持する磁気ヘッド支持機構,[[15:1005034|磁気ディスク]]上に同心円状に設けられた[[15:1009243|トラック]]に[[15:1005047|磁気ヘッド]]を位置決めする磁気ヘッドポジショナ機構,磁気ディスクスピンドル機構および磁気ヘッドポジショナ機構の制御信号および[[15:1005047|磁気ヘッド]]の記録・再生信号を処理する周辺回路から構成される.これらの要素から構成される一つの装置はヘッドディスクアセンブリーと呼ばれる.[[15:1005034|磁気ディスク]]は[[16:1006525|スピンドル]]に固定されており,交換しない構造となっている.  [[15:1005047|磁気ヘッド]]は,原理的には磁気的に記録・再生可能なインダクティブヘッドと再生専用の[[15:1005033|磁気抵抗効果ヘッド]]がある.[[15:1005033|磁気抵抗効果ヘッド]]はインダクティブヘッドと組合されて[[15:1005047|磁気ヘッド]]を構成し,薄膜技術により形成される.  [[15:1005034|磁気ディスク]]は,ニッケル-リンめっき膜を被覆したアルミニウム基板またはガラス基板などの硬質基板上に磁性層および保護膜層を形成したものであり,現在では[[15:1006264|垂直磁気記録]]方式が主流となっている.  磁気ディスクスピンドル機構は,回転駆動力を発生する電動機が取付けられた[[16:1006525|スピンドル]]およびこれを支持する軸受から構成されている.軸受には従来は玉軸受が広く使用されていたが,トラック位置の振動低減ため,現在は動圧滑り軸受が主流となっている.  磁気ヘッド支持機構は,[[15:1005047|磁気ヘッド]]を[[15:1005034|磁気ディスク]]に対して,非接触に一定のすきまを維持する[[15:1006589|スライダ]]と支持ばねから構成されている.[[15:1006589|スライダ]]は,高速回転する[[15:1005034|磁気ディスク]]との相対的な運動によって流入する空気によって発生する浮上力と支持ばねの押しつけ力と釣合ったところで一定のすきまを維持する.なお,[[15:1005047|磁気ヘッド]]の記録・再生素子近傍に薄膜抵抗体からなるヒータを搭載し,これを熱アクチュエータとして用いるThermal flying-height control (TFC)技術により,更なるすきま低減が実現されており,現在では浮上すきま1 nmが実現されている.  磁気ヘッドポジショナ機構は,[[13:1000105|アクチュエータ]]および[[13:1004443|サーボ機構]]から構成されている.アクチュエータは通常[[15:1011980|ボイスコイルモータ]]を利用した回転アクチュエータ型が使われている.サーボ機構は,磁気ディスク面から読込まれるフィードバック信号に応じて磁気ヘッドを目標トラックの中心に位置決めするように動作する.  フィードバック信号の記録方法としては,積層された磁気ディスクの一面の全域に位置情報を記録しておく[[15:1004452|サーボ面サーボ]]方式と,データ面の中に一定間隔(通常,セクタ間隔)で位置情報を記録しておく[[15:1008681|データ面サーボ]]方式があるが,現在は[[15:1008681|データ面サーボ]]方式が主流である. {{popup> :1005036_01.jpg?400 }} ~~NOCACHE~~