====== 主応力 ====== ==== principal stress ==== {{tag>..c07}}  物体内のある点を通る任意面の応力成分は面の方向によって大きさが異なる.これら無数の面の中で垂直応力が極値となるような互いに直交する面が必ず存在し,この面ではせん断応力を生じていない.このような面を[[|主[応力]面]]といい,このときの垂直応力を主応力という.また主応力面の法線すなわち主応力の方向を[[|主[応力]軸]]といい,物体内各点での主応力軸に接する曲線群を[[07:1005602|主応力]][曲][[|線]]という.主応力の数は二次元応力状態では2個であり,三次元応力状態では3個となる.それぞれの主応力のうち最大のものを[[07:1004558|最大主応力]]といい,この値が材料固有の値に達したときに破壊が起こるとした最大主応力説は,古典的強度説の一つとして脆性材料などに適用される.一般に二次元応力状態(//σ////x//,//σ////y//,//τ////xy//)の主応力//σ//1,//σ//2およびその方向//θ//1(≦//π///2),//θ//2(=//θ//1+//π///2)は次式で与えられる.\[\begin{array}{l} \left. {\begin{array}{*{20}{c}} {{\sigma _1}}\\ {{\sigma _2}} \end{array}} \right\} = \frac{{{\sigma _x} + {\sigma _y}}}{2}\pm\sqrt {{{\left( {\frac{{{\sigma _x} - {\sigma _y}}}{2}} \right)}^2} + {\tau _{xy}}^2} \\ \tan \left( {2{\theta _1}} \right) = \frac{{2{\tau _{xy}}}}{{{\sigma _x} - {\sigma _y}}},\quad f = \frac{{\cos 2{\theta _1}}}{{{\sigma _n} - {\sigma _y}}} \end{array}\]なお//θ//1は//f//>0のときは//σ//1の方向を,//f//<0のときは//σ//2の方向を示す.また三次元応力状態では,//I//1,//I//2,//I//3をそれぞれ応力の第一,第二および第三次の応力不変量として,主応力//σ//1,//σ//2,//σ//3は次式の三根で与えられる.\[{\sigma ^3} - {I_1}{\sigma ^2} + {I_2}\sigma - {I_3} = 0\] ~~NOCACHE~~