流れの圧力が低下し,分子と物体壁の衝突頻度が不十分になると,気流は物体表面で流速が0にならずすべる.このような流れをすべり流という.壁に垂直にy座標をとり,壁に平行な流速成分をuとすると,壁面での流速のすべりの大きさは\({u_s} = \lambda {\left( {\partial u/\partial y} \right)_{y = 0}}\)で与えられる.λは壁面近傍での分子の平均自由行程.クヌッセン数Kn(=λ/L,λ:平均自由行程,L:代表長さ)が0.01~0.1の流れをすべり流という.流れはまだ連続体とみなすことができるので,流れの解析では,ナビエ・ストークス方程式にすべり境界条件を適用する.