構造物とそのまわりを流れる流体とが連成して発生する自励振動現象.航空機,橋りょうに生ずるものが代表的.1940年のアメリカ西海岸,タコマ市郊外のタコマ橋落橋はフラッタによる事故として有名.航空機の主翼に発生する典型的なフラッタは,主翼の曲げモードとねじれモードが連成するものである.主翼の振動によって生ずる非定常な空気力は振動に対して位相遅れがあるが,その空気力は速度によって曲げ,ねじり振動の位相関係を変化させる.一般に,気流速度がある速度(フラッタ速度)に達するとフラッタを生ずる.航空機は急降下速度の15%増以下の速度でフラッタが生じてはならないと設計基準(耐空性基準)に定められている.
ターボ機械の翼でも起こることがあり,流れのはく離を伴わない非失速フラッタとはく離を伴う失速フラッタがある.