階段状の大量輸送装置で，トラス上部に設置した駆動機で駆動チェーンを介して踏段チェーンに連結された踏段とハンドレールを同一方向に同一速度で駆動する．一般的には速度は毎分30m以下，傾斜角は30°以下，欄干幅は踏段面から60cm高さで1.2m以下で，0.8mと1.2mがある．駅などの高揚程向けでは速度が毎分30mと40mの二段速エスカレータもある．おもなエスカレータの安全装置は非常停止ボタンが押されたとき，速度が過速または遅速のとき，駆動チェーンまたは踏段チェーンが切断または弛緩（しかん）したとき，移動手すり入り込み口に異物が入り込んだときなどに動作し，エスカレータを止める．建築設備側の安全装置では交差部分に三角ガード板，転落防止柵，進入防止柵などが施される．直線形には1箇所または2箇所の踊り場がある中間踊り場付き，車いすを搭載できる車いす用ステップ付きがあり，このほかにらせん状に動くスパイラルエスカレータなどもある．